あすか塾における既卒生(浪人生)とは?

ブログ
スポンサーリンク

「神戸大学 経営学部 / 西宮東高校(既卒)」

あすか塾は既卒生を募集しているのか?

ちなみに既卒生というのはかねてから「浪人生」と呼ばれ(ていたが何か語感に問題でもあるのか)、現在は「高卒生」とも呼ばれる、高校を卒業した上で予備校などに通い、大学入試に向けて勉強に打ち込んでいる人のことです。

結論から言うと、当塾は既卒生の募集はしていません(でしたが、以下に記すようなあれこれを経て、現在は応相談です)。

しかしながら2019年度の大学合格実績には「神戸大学 経営学部 / 西宮東高校(既卒)」の文字が燦然と輝いています。

この経緯をご説明したいと思います。

スポンサーリンク

A君の現役時代

「既卒」の塾生を仮にA君とします。

A君は高校1年生から3年間あすか塾に通っていました。

そして、高3の時の入試では兵庫県立大学に現役合格していました。

公立大学としては名門なので入学するのだろうと思っていたのですが、本人はどうも納得がいかなかったのか、「浪人」して再挑戦するという道を選びました。

あすか塾に通う生徒はほとんどが現役合格にこだわるので、珍しい挑戦になりました。

で、そうなると当塾はこれまで、その浪人する生徒の指導からはいっさい手を引くというのが通例でした。

昼間に予備校に通って勉強するというのが昭和からの「浪人生」の常識で、夕方から夜がメインの学習塾がそこにタッチしないのは当たり前と言えば当たり前だったのです。

スポンサーリンク

あすか塾、既卒生受け入れへ

しかしながら、A君が浪人を決めた2018年春のスタッフミーティングで、彼を半分塾生、半分スタッフ(アルバイトのチューター講師)として迎えてはどうかという案が出ました。

これにはスタッフ間で懸念の声も上がりました。
大学生でもない人がチューターをしていて保護者の間で問題にならないか、当人の家庭が勉強時間を削ってのアルバイトに反対しないか、またA君の弟もあすか塾に通っているので不都合が生じはしないか、等々。

しかし提案者が(私ですが)『福翁自伝』(福沢諭吉の自伝)を引き合いに出して、「先輩塾生が後輩を指導するのは緒方洪庵の『適塾』を見ればわかるように、私塾のあり方としてまったく正しい」とか、「他人に教えることが本人の学力を最も伸ばすのである」という論(正論と思いますが)を展開するなどした結果、経営陣からゴーサインが出ました。

ちなみに懸案と思われたA君の家庭の承諾ですが、「どうぞ使ってやってください」という感じであっけなくクリアだったと記憶しています(後ろのQ&A参照)。

浪人後の入試結果

かくしてA君はチューターとして働きつつ、あすか塾を自習や質問の場として活用しながら、苦手な教科では当塾の講師に詳しい指導を受けたり筆記試験の添削を受けたりして、新年度の入試に備えました。

結果、センター試験では87%を超える高い得点率を叩き出し、悠々と神戸大学に合格したというわけです。

入試までの間、当塾のスタッフとして個別指導や他の講師の代講などを引き受けて、塾の運営を助けてもくれました。

浪人中にあすか塾一本で指導を受けていたわけではないのですが、以上のような経緯から当塾の合格実績に含めて良いだろうということで、堂々2019年度合格実績のトップに座しているというわけなのです。

A君へのQ&A

以下、現在もあすか塾でチューターを続けてくれているA君本人へのQ&Aです。

現役生・浪人生それぞれの勉強法などに関して、いろいろ参考になるかと思います。

教える側にとっても大変ためになる話が聞けました。

答えてくれた人:A君

西宮市内の公立高校出身
現役で兵庫県立大学に合格するも浪人を決意
2019年、第一志望の神戸大学経営学部に合格(センター試験得点率87%)

「知識も必要だけど、まず解くのが一番大事」

浪人の1年間、どんな風に勉強していましたか。

初めは参考書で勉強していましたが、基礎知識がある程度ついたら、過去問をひたすら解き続けていると自然と点数が安定してきました。

受験では、土台となる知識ばかり詰め込もうとしても、演習しないと身につかないと思います。過去問を解いて、「なんで間違えたか?」をちゃんと調べて復習していたら、点数は伸びます。

そういう意味では、過去問をじっくり研究できる浪人生という立場は、自分に合っていました。

ただし自分の場合は、現役の時点でセンターの点数もそれなりにあったので、そのようなやり方ができたのかもしれませんが。

「解いていくうちに同じノウハウにたどり着いた」

浪人を経験してみてこその、現役生へのアドバイスを。

現役の時は、学校の先生の言っていることをあまり聞かず、どうしても我流でやっていました。

しかし、経験値を積んでいくうちに先生が言っていたノウハウにたどり着きました。結局そっちのほうが効率がいいんです。

できれば現役生も素直になったほうがいいと思いますが、それも僕が実力がついてからわかったことなので、高校生が素直に先生を信じるのも難しいかもしれません。

それでも、先生の言うことはある程度信じたほうがいいです。高校3年生の受験経験年数は1年だけど、先生たちは経験値がもっとあるし、こっちのためを思って言ってくれているのは間違いないので。

とりわけ現役生は試行錯誤をしている時間がないので、素直にノウハウに従ったほうが成功しやすいのではないでしょうか。

「学校の授業にそのまま乗っかるのは危険」

では、学校の言う通りの勉強をやっていればいいということでしょうか?

いいえ。学校の先生の言っていることは個々には正しいんですが、時間的な優先順位に問題があったと思います。

浪人して気づいたんですが、学校は記述対策がメインだったけれども、まずは記号選択のセンター試験を取れないといけない。そのことの認識が甘かった。

「センターは直前期に対策すれば大丈夫」という先生の言葉を鵜呑みにしていたんですが、僕が現役時にセンター試験で失敗したのは、たぶんセンター試験形式の演習不足に原因がありました。

学校では、国公立対策は「二次対策→センター対策」の順序だったんですが、自分の経験だと「センター→二次」が本当ではないかと感じました。

さっき「先生の言うことを信じるのは大切」と言いましたが、進学校でない限り、塾の先生のほうが(受験に関しては)より正しいことを言っているように思います。

塾は、自分が問題演習で得た経験を整理して、知識として定着させてくれるので役に立ちました。

それでも、自分で演習を重ねてこそ初めて効果があったように感じるので、「塾に行ってるから大丈夫」という考え方は危ないと思います。

自分で勉強+塾で知識整理、が最良ではないでしょうか。

「妥協はしたくなかった」

浪人することに決めた経緯を伺います。現役では兵庫県立大学に合格していましたが、浪人を決めたのはなぜですか。

僕の第一志望校(神戸大)への点数が足りなかった原因は、時間が足りないことだったのは判っていたので、悔しかったというのが一番です。

最終的に、「妥協したくない」という思いが浪人生活を決心して続けていく原動力だったように思います。

滑り止めに合格していたので、初めは親も浪人へのゴーサインを簡単には出しかねていたようです。が、最終的には親が浪人になるのを後押ししてくれたところもあります。

家族の応援のおかげで浪人生活を乗り切れたとも思っています。そういう意味では自分は恵まれていました。

ただ、人にはいろいろ事情があるので、浪人するか滑り止めに通うかは個々人で決めることだと思います。どっちが良いとかではなくて。

「予備校に行くかは好きにすればいいと思う」

浪人するにあたって、予備校に通うか、家で勉強(宅浪)するか、という選択肢があると思いますが、どう考えればいいでしょうか。

予備校か宅浪かは、性格で決めるといいと思います。

僕は予備校の時間的拘束が合わないと思ったし、時間割で動くのだと学校と同じなので、宅浪にして、あすか塾で苦手科目の授業だけ受けるようにしていました。あとはZ会もこなしてました。

あすか塾では質問ができるし、添削してくれるのは圧倒的なメリットだったと思います。予備校は人気のある先生には質問しにくいと聞くので。

それに予備校だと時間的拘束が長いので、単科で塾に通うほうが手っ取り早いと感じます。お金もずいぶん安く済みますし。

「苦手は克服するものではない」

現役時は苦手科目に手を焼いていましたよね(特に国語)。どう克服しましたか。

苦手科目の克服は、時間が解決してくれました。正確に言うと時間というか演習量です。

苦手科目ほどやる気が起きなくて遠ざける、そのせいで演習量が減る、というのが苦手の原因ではないでしょうか。

何か特別なコツを人に聞いて、あるいは自分でつかんで苦手を克服するというよりも、ひたすら演習を重ねたら割となんとかなると自分には思えます。

具体的な勉強内容としては、 過去問演習と復習をしっかりするのを心がけました。解いたら答え合わせをできるだけ素早く終わらせて、間違えた問題をもう一度解きなおす、を繰り返しました。

センター国語について言うと(倫理政経、地理、英語も)、解答を見ると納得してしまうので、丸付けをする前にもう一回すべての問題に含まれる解答の根拠を拾っていって、違う色のペンで解答しなおしてから丸付けしました。

「ちゃんと休んでれば、勉強も楽しくなる」

浪人の1年間はそれなりに長いですよね。勉強をさぼらず続けるコツなどあるでしょうか。

当たり前ですが、受験で大事な時期は夏とかじゃなくて本番です。それに向けて、勉強を続ける気持ちが切れないようにコンディションを整えていくのが大切。

だから、リフレッシュも休憩も全然していいと思います。ちゃんと休んでれば、勉強も楽しくなります。僕もリフレッシュは積極的にしていました。一日9時間近くは寝てましたし。

でも、それがあったから浪人時代の一年を乗り切れたように思います。

そうやって「勉強が嫌いになる前に休む」を続けていたら、徐々に勉強が楽しくなってきました。根を詰めすぎると嫌になって、何日か机を離れたままということにもなりかねないので、「ちゃんと休んで、集中」をしたほうが続くし、楽しかったです。

やっぱり楽しくやるのはとても重要です。僕と同じように過ごしていた浪人友達は、だいたいみんな成功していました。

現役生には難しいかもしれないけど、生活を楽しむくらいの余裕を持ちつつ勉強したほうが、結局のところいろいろ捗ると思います。

「『受験生』になることが必要」

適度に休むことが、長く継続して勉強するのに必要ということですね。

注意してほしいのは、現役の時に「受験生にちゃんとなる」ことができていた人に限って、適度にリフレッシュしていいということです。

僕は時間不足で第一志望校に合格できなかったんですが、現役の時からちゃんと「受験生」をしていました。つまり生活の中で勉強に充てられる時間を可能な限り割り振って、その時間はきちんと勉強していたつもりです。

それが前提にあって、初めてリフレッシュが意味を持つということです。僕も適当にリフレッシュしたら自然と机に向かえていたので、いいサイクルができていました。

現役で「受験生」をやれてなかった人が、浪人してそうなれるかは微妙だと思います。そういう人はそもそも浪人に向いていないのでは……

その逆も言えます。現役でちゃんと頑張れていた人だったら浪人してもやっていけるので、もしその選択をしたなら、適度に休みながら頑張ってほしいです。

「浪人はたくさんいる」

基本的に家で勉強していたと思いますが、メンタル的な部分はどうでしたか?

浪人生活では基本一人だったので、理屈っぽく物事を考えることが増えたように感じます。

メンタルがしんどい時期も正直言ってありました。

ただ、Twitterを見たら浪人が自分以外にも意外にたくさんいることに気づいて、少しホッとできました。

「あすか塾で教えるのは、本当に自分のプラスになった。」

浪人生としてあすか塾でチューターをすることについて、本人の思いと周囲の反応は。

あすか塾で働くという話に、親はまったく反対していませんでした。

僕自身も、初めは気分転換くらいに思っていましたが、教えることが苦手分野の克服につながりました。

自分が教える立場になって、出題者の意図もある程度読めるようになったし、知識を体系的に理解できたように思います。

浪人生(既卒生・高卒生)募集中!

Q&Aはいかかでしたでしょうか。

万人に当てはまる勉強法ではないかもしれませんが、大いに受験生の参考になる内容だったと思います。

さて、以上のような経験を経て、あすか塾では浪人生の受け入れも始めています。

自宅学習を主とする受験生へのアドバイスや補助を提供するといった利用法をメインに考えていますが、苦手な科目の基礎を集中的に強化するなど、ニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。

ご興味がおありでしたらぜひお問い合わせください。

文責・構成:あすか塾スタッフ I.
インタビュー:あすか塾スタッフ S