はじめに
この春より、あすか塾高等部では教室での対面授業とZoomでの遠隔授業を組み合わせた、いわゆる「ハイブリッド」形式での授業を試みています。
高校3年生にもなると受験生ということで、大学入試の過去問などの高度な問題を演習しなければなりません。
かと言って、それに対応できるスタッフがそうたくさんいるわけもなく、これまであすか塾では、甲東園校(旧みのり塾)の高3生に本部の甲子園校に来てもらった上で、大学受験用のコースを提供していました。
ただしこれには難点があります。あすか塾に通っているのはほとんどが西宮の普通の公立高校の生徒で、部活にも励んでいます。部活が終了(引退)となるのは通例高3の夏なので、それまでは家から遠い教室に通う時間がなかなか取りにくいというケースもあります。いきおい本格的な受験勉強は夏からということになり、そうなると時間が足りなくなりがちです。
そこで、昨年度にコロナ禍の中でLINEを使った遠隔授業(対象者1名)を行った経験も踏まえて、今度はZoomを使って複数人参加の授業を高3向けに行うことにしました。
英語
英語は3月1日に初めてハイブリッド授業を行いました。
甲子園教室の参加者は3名、甲東園教室に1名、自宅からが1名という少人数で、また講師が他の現場でZoomを使い慣れていたこともあり、比較的スムーズに進んだと思います。
あらかじめあすか塾でZoomの有料ライセンスを取得しました(無料だと時間制限がある)。
授業予定時間にミーティングを設定して、アクセス方法を生徒にはグループLINEで伝えておきました。
授業内容は、すでに始めているセンター試験過去問演習です。昨年度行っていたのと同様に、文法や発音の問題が一切出ない共通テストに合わせて、読解問題だけを演習しています。
授業の前半は(今回が初参加という生徒もいるので)渡しておいた問題を黙々と解いてもらい、後半に解答・解説を行いました。
この後半の解答・解説パートでは、生徒一人ひとりに試験問題のすべての英文を朗読・和訳してもらっています。授業で生徒自身によるアウトプットがあることで、読解の技能と知識の定着が促されます(時間はかかりますが)。
Zoomでこれがスムーズにできるかというのが心配でしたが、オンラインの生徒の音声もクリアに聞こえ、講師が加える論評・解説もしっかり通じていました。まあ問題ないだろうということになり、一安心です。
授業の様子はZoomの録画機能を用いて動画ファイルに記録し、リアルタイムの授業に参加できなかった生徒も後から見返せるようにしています(今のところ塾生のみが閲覧できるよう制限をかけています)。
数学
初回では、プリント演習(受験基礎~標準レベル)の問題を解いていきました。
通常授業においては、各生徒に問題を解いてもらい、解けた生徒から個別に添削、解説をする形式です。(記述式答案の演習も兼ねているため、個別に添削をしています。)
リモートの生徒は、
① 生徒が手元で問題を解いて、写真で送信
② その写真を塾側でプリントアウトして答案チェック
③ 答案の修正点を、塾のホワイトボードに書き出しながらオンライン解説
の三つの手順で授業を行う形式を試みました。
一応、双方向の授業形式は成立しましたし、解説もできました。
ただし、それぞれの手順であまりに手間がかかってしまうので、修正すべき点はあります。
それに伴い、新たな機材を準備する必要もありそうです。
訂正案としては、
生徒の手元の答案をカメラで写す
→ 画像に直接タブレットで修正点を書き込む
→ 画面共有で生徒側の画面に添削後の答案を送信
で、時間短縮が図れるかもしれません。
今後も工夫を重ねて、改善の過程を報告していきます。
2021年3月 あすか塾