英文解釈(カッコで区切る読解)についてのQ&A

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あすか塾高等部の英語の授業では、基本的な英文法の学習を終えた段階で、五文型と修飾の句・節の分析に基づいた英文の区切り読みを講義します。

上の記事は実際に塾生に渡すプリントの簡略版なのですが、だいたいの指針はお分かりいただけると思います。
比較的オーソドックスな手法です。

それ以後、この考え方に従って英文読解の授業は進められます。

さて、いつもは英文にカッコを付けて区切って読んでいくやり方を生徒に伝授するだけなのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で対面授業ができないクラスに対して、このメソッドに対する質問を募ってみました。

その結果興味深い質問が多数寄せられましたので、それらへの回答をまとめてみました。

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英文読解に対する姿勢

英文解釈の根本を問うような質問も散見されました。まずはこちらから。

Q:英文をカッコでくくったり、スラッシュで区切ると、英文を訳すとき(読むとき)にどんなメリットがあるのですか? このやり方のコツや失敗しないやり方があれば知りたいです。

A:メリットは、英語を英語のまま読むための第一歩になるということです。その上で、このやり方を身につけるコツは、実際に英文にカッコや区切りを入れながら読むことです。基本的な法則を頭に入れつつたくさん練習することで、初めて身に付きます。野球やテニスで言えば正しいフォームを意識しながら素振りするようなものです。

Q:昔から英語を覚えることが苦手で、単語帳やテキストを使って暗記してもなかなか頭に定着しません。効率の良い覚え方や分かりやすいイメージの仕方などがありましたら教えていただきたいです。

A:単語帳などの断片的な知識は苦行に類するもので楽しくないので、むしろ自分の興味のある物事について英文を読む習慣を付けるようにした方が、「急がば回れ」で早いと思います。楽しいことや役に立つことの方が記憶に残ります。韓流ドラマでもアイドルでも何でもいいので、英語版のWikipediaを読んでみるとか、英語字幕をオンにしてYoutubeを見るとか。

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5文型+修飾で区切る英文解釈

英文読解のための英文法に関連した具体的な質問です。

Q:英文は、飾りで切ればいいのですか?それとも、適当なところで区切ればいいのでしょうか?

A:飾り=形容詞句・節ならびに副詞句・節(の始まりと終わりのカッコ)で区切るのが、結局手っ取り早いと思います。もちろん正確に読めれば区切りは適当でもいいのですが、そこに適当なりに一貫したルールが存在していないと使い物になりません。

Q:カッコをどこで閉じればいいのかがわからない。

A:これが最も多い質問でした。
カッコを閉じる場所は、基本的には「カッコの始まりの語(前置詞など)が作っている句・節が終わったところ」です。「それはわかってるよ」と言われそうですが、プリント内でも言っていたように、「どこでカッコが終わるのか」がわかるということは、どんな英文でも読みこなせる力があるのと同じようなことです。一言で言い表せるようなコツがあるわけないですよね。練習あるのみです。

Q:「名詞節の場合、接続詞thatをカッコの外に残しておく」ことの理由がよくわかりません。「カッコとその中身を取り去っても文の要素が残っているようにしたい」とはどういうことですか。

A:元のプリントの最初にあった長い例文です。実際にここからカッコを取り除いてみましょう。
¶ The man (in a blue shirt) [who was reading a newspaper (on the bench)] was, (in fact,) a pianist [who had been missing (for years)].
ここからカッコとその中身を取り除くと
⇒ The man was a pianist.
元の長い例文をSVOCとMで表現すると次のようになるのがおわかりでしょうか。
S(M)[M(M)]V(M)C[M(M)]
ここからカッコとその中身を取り去るとSVCだけが残ったというわけです。第二文型ですね。
というわけで、修飾Mを取り除くと五文型を構成するいわゆる「文の要素」だけが残り、文の中心となる骨組みだけになります。文としての形は最低限保てているわけです。
さて問題の、名詞節であるthat節や名詞句のto不定詞ですが、これらの全体をカッコでくくってしまうと、上のようにカッコを取り去ることはできなくなります。
¶ The teacher showed that oil and water don’t mix. 教師は油と水が混ざらないことを示した。
上ではThe teacherがSでshowedがV、that節がOの第三文型ですが、that節を全部カッコに入れてしまうと、カッコを取り去ったときに文型がSV(第一文型)になってしまいます。あるいは
¶ To know something and to teach it are different.
このような文の場合は、to不定詞全体をカッコに入れた上で取り去ると文構造が破綻してしまいます。
なので、それぞれ下のようにカッコを付けることにしているのです。
¶ The teacher showed that {oil and water don’t mix.}
¶ To {know something} and to {teach it} are different.
(ただし昔は私も名詞節・名詞句全体を山カッコ<> に入れていたことがあります。カッコを取り去るなんて作業は、現実に英語を読むときにはやらないので、「名詞句・節であって修飾ではない」ことさえはっきりしていれば、自分の納得できるやり方で構いません。)

Q:句と節というのがいまいちわかりません。

A:句と節の区別をそんなに気にしなくても構いませんが、「二単語以上が一まとまりになって、一単語の働きをする単位」を句や節と呼び、そのうち「SVがないもの」を句、「SVがあるもの」を節と呼びます。
¶ I bought an apple (at the store) (before she came.)
上の文だとat the storeが句でbefore she cameが節です。このうちat the storeは3語ですが、there「そこで」とかhere「ここで」といった単語(=副詞)と全く同じ働きであり、SVではないので副詞句です。またbefore she cameもearly「早くに」とかthen「その時」などの副詞である単語と全く同じ働きで、3語でSV(she came)を含むので副詞節となります。

Q:日本語に直そうとはしないと書いてありますがどうしても日本語に直そうとしてしまいます。どうすればいいでしょうか?

A:できるだけ英語の語順で読むように心がけながら英文をたくさん読むことです。日本語に直すなんて悠長なことをやってるのが馬鹿らしくなってくるくらいに。

Q:飾りの部分を( )でくくるのは理解出来ましたが、そこからの文のつなげ方がよく分かりません。どうすればいいですか?

A:カッコの部分で区切りながら、短いかたまりごとに読んでいくのが基本です。そこから先の日本語への直し方がわからないということかもしれませんが、それはわからなくても構わないのではないでしょうか。翻訳家になりたいならともかく、ですが。

Q:私はOとCの見分けがとても苦手だったのですが、OとCを見分けるコツなどはあるのでしょうか?

A:第2文型SVCを取れる動詞を覚えるのが早いと思います。あとSVの後が形容詞なら確実にそれはCです。
このように、品詞の知識は折に触れて必要になりますので、基本のところは理解しておかなければなりません。

Q:接続詞+SV …の意味がわかりにくい。

A:I am happy because she will visit me tomorrow.の下線部のように、接続詞の後に文と同じ形(SV…)が続き、それら全体が副詞節になっているということです。

Q:前置詞+名詞の項目の例文The report depends (in a very smart way) on the government research.ここの前置詞は「on」ですか?「in」ですか?

A:その文は実はThe report depends (in a very smart way) (on the government research.)とも書けるので、両方とも前置詞であり、後に続く名詞とともに前置詞句(副詞句)を構成しています。ただdepend on ~を強調するために後者のカッコを省略しました。

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関係詞について

関係詞に苦手意識を持つ人が多いようです。谷崎潤一郎も丸谷才一もそれぞれの『文章読本』で指摘しているように、関係詞は複雑な文を論理的に組み立てるのに重宝なものですが、残念ながら日本語には存在していません。そのせいなのか、とりわけ多くの質問が寄せられました。

Q:なぜ関係詞の前にbyや前置詞がつくのがわかりません。

A:関係詞は苦手な人が多いようです。下の二つの文を関係代名詞を用いてくっつけるとしましょう。
1. This is the house.
2. She lives in it.
この時、1の文のhouseを指すのが2の文のitなので、これをwhichかthatにして2の文の先頭にもっていけば、1の文に2の文をくっつけられます。
→ This is the house [which she lives in.]
ところで、2の文のitには前置詞inがついてますよね。この「前置詞+(代)名詞」は、プリントの他の部分でもあるように、一体となって副詞句を形成しています。なので、itをwhichに変えたときに、in whichを一つのものと考えてまとめて前にもっていくのが、正式な書き言葉の英語なのです。
→ This is the house [in which she lives.]
これら二つの文はどちらも正しい英語で、最初の方が話し言葉っぽく、後ろの方が書き言葉っぽくなります。

Q:関係代名詞の用法で、先行詞に最上級の形容詞がつく場合や、the firstなどの序数や限定の語句(the onlyやthe last)がつく場合はthatを使うのが好まれると中学・高校で教わりましたが、なぜなのでしょうか。

A:関係詞thatは元々指示代名詞の「それ」なので名詞を指示する力、限定する力が強いので、「…な最初の」である「the first …」の「…な」の部分(どういう点で「最初」なのかを明確に限定している)を作るのに好まれます。他の限定の強い形容詞の場合も同様です。関係詞whichはもともと疑問詞「どれ」なのであまり前の名詞を指示・限定する力が強くないのです。だから継続用法という関係詞の前にカンマを打つ使い方(前の名詞に補足的に説明を加える)もできます。一方、継続用法はthatには許されていません。

Q: 関係詞が含まれる英文を読解するとき、関係詞内の内容は主語の詳しい説明だと思いながら読解したら読みやすくなりますか。

A:そうですね。文の本動詞Vが来るのを待ちながら、その前に主語の説明を受けている、といった感じです。

Q:関係代名詞whoとwhomの使い分けが難しいです。

A:2つの文を関係詞で1つの文にすると考えたとき、元がIやsheなど主格ならwho、meやherなど目的格ならwhomというのが基本ですが、実際にはwhomであるべき時にもwhoを使うことが多いので、混乱する人がいるのだと思います。

Q:関係代名詞の後にもS Vを付けられるため、ますます関係代名詞と関係副詞の使い分けが難しいです。

A:これも、関係詞で2つの文を1つにくっつける場合を考えるとわかります。簡単に言うと、元の文で代名詞itだったらwhichに、副詞thereだったらwhereになります。下の二つの等式は意味は全く同じです。文の出来方を比べてみてください。
This is the city. + I was born in it. = This is the city which I was born in. (= This is the city in which I was born.)
This is the city. + I was born there. = This is the city where I was born.

Q: 関係詞が苦手で関係詞+s(v)…と関係節内の挿入の違いが分かりません?

A:関係節内の挿入はある程度使われる語が決まっているので、それらを覚えるというのが一つの手です。具体的には後ろにthat節を伴うSV(I thinkとか)です。

Q:接続詞のthatと関係代名詞のthatが区別できません。

A:接続詞のthatは名詞節を作るので、that節全体が一つの名詞であり、文中で主語(S)または目的語(O)または補語(C)になり、あるいは別の名詞の直後で同格の名詞節を作っています。
¶ He said that {his idea that {she was rich}} was wrong. 彼は言った/彼の考えは(彼女が裕福だという)、誤りだと。
この文だと一つ目のthat節がsaidの目的語、二つ目のthat節がhis ideaの内容を述べる同格の節です。
一方、関係代名詞のthatは必ず名詞の後ろに付き、その名詞を修飾する形容詞節を作ります。
¶ His idea [that he explained] was interesting. 彼の考えは(彼が説明した)、興味深かった。
このように二つのthatは文中で果たす役割が全く違うのです。
しかしここで、上の二つの例文中では同じhis ideaの後にthatが来ているのでやっぱり見分けがつかない、という人もいるでしょう。それはthat節の中の構造を見ないとわかりません。一文目のhis idea thatのthat節においては、she was richがSVCのそろった完全な文の形になっています。ところが二文目のhis idea thatのthat節ではhe wroteの後にあるべき目的語が欠けています(SVOのOがない)。このように関係代名詞の節では、関係代名詞を省いて考えると、主語か目的語のどちらかが必ず欠けています。接続詞thatの節ではそのような欠落はありません。
こうした構造による見分け方も理解しておくとよいでしょう。

Q:複合関係詞(wh-+ever)は、自ら先頭になると書いてありましたが、動詞の後ろなどにつくことはないのでしょうか。

A:「自らがつくる節の先頭になる」ということであって、文全体で見たときには動詞の後ろなどに来ることもありますよ。
¶ You can take whatever you want. 「あなたは何でも欲しいものを取っていい。」

様々な文法事項

英文を区切って読む方法の以外に関しても、さまざまな質問がありました。

Q:いわゆるso-that構文でthatが省略されることがあるというのはなぜですか。わかりにくくないですか。

A:これは下の強調構文に関する質問と同じく、決まった形を取る構文の方に関連しての質問でしょうね。

例えば次のような文があり得ます。
¶ She was so angry she refused to talk to me. 「彼女はとても怒っていたので、私と話すのを拒んだ」
二つ目のsheの前にあるはずのthatが省略されています。
これが可能なのは、soという単語がとても「指示力・喚起力」が強いからです。このsoは元々「そんなにも」という意味で、「そんなにもというからには、どんなにもなのか」を述べることが自動的に期待されるのです。そこにthat節をもってくると、「どんな結果を呼ぶほどsoだったのか」を述べることになります。このようにsoという語の「結果の節が述べられることを期待させる力」が強いために、SVがsoの後に来るのは当然と見なされ、thatなしでも意味が自然と了解されるのです。

Q:強調構文がよくわかりません。

A:これも決まった形を取る構文に関しての質問ですね。
It is X that …の強調構文は、元の文のうちで強調したい箇所をXに入れて、元の文の残りの部分をthat以下に流し込んで出来上がります。プリントにあった通りですので見直してみてください。
ただ、おそらく質問者は、この強調構文と形式主語(仮主語)itを用いた構文の区別がつかないことを問題にされているのではないかと思われます。
¶ It was a problem that she didn’t attend the meeting. 問題だった/彼女が会議に出ないことが。
¶ It was this problem that she tried to solve. この問題だった/彼女が解決しようとしていたのは。
この二つの例文だと上が形式主語構文、下が強調構文です。形式主語構文ではitが中身のない空の箱のようなもので、真主語のthat節を受ける役割をします。
二つを見分ける方法としては、それらのでき方からわかるとおり、「形式主語構文ではit isとthatを取り除くと文構造が成り立たなくなるが、強調構文でit isとthatを取り除いても元の文が残るだけ(順番は入れ替わることもある)」というものもあります。
ちなみに上の二つの文の分析は下のように全く異なるものになります。
It was a problem that {she didn’t attend the meeting.}
It was this problem that she tried to solve.

Q:例えばhardやearlyなどは形容詞か副詞かどちらですか。

A:どちらでもあり得ます。
プリントで述べていた通り、その単語が名詞を修飾していれば形容詞ですし(an early stage)、動詞など名詞以外を修飾していれば副詞です(She worked hard)。

Q:副詞が文中でどこでも入ってくるのでどこに入れたらいいのか分からない。

A:副詞の位置は実際とても自由なのです。日本語でも「昨日私あの子と遊びに行ったわ」「私昨日あの子と遊びに行ったわ」「私あの子と昨日遊びに行ったわ」「私あの子と遊びに行ったわ、昨日」どれでもいいですよね。

Q:分詞構文で-edか-ingかどっちを使えばいいのか分からない。

A:これは日本語話者に共通する問題だと思います。日本語は主語が省略できるために動詞の能動と受動があいまいなので、英語になるとどっちなのか苦労するのです。主語が、動詞で表される行為を「する」のか「される」のかできるだけ厳密に考えて、その感覚を身につけるようにしましょう。

Q: 例文She is going to give a friend of hers who has just begun learning English her dictionary she bought three years ago.でa friend of の後になぜhers が来るのかが分かりません。

A:例えば*this my friendも*my this friendも禁止された表現ですが、「この私の友達」と言いたいときもあります。その時にはthis friend of mineという風に「of + 所有代名詞」を名詞の後ろに付けることになっています。プリントの例文では「彼女の友人の一人」になっているわけです。

Q: notとneverはどう使い分ければいいですか

A:否定の副詞notは、最も基本となる否定語です。一方neverは「not + ever」で「(過去にも未来にも)一度も…ない」という意味になります。

Q:分詞構文を普通の文に戻すのがわかりません。

A:分詞構文は「接続詞+SV …」を書き換えたものだと教えられることが多いですが、特にそう考える必要はありません。分詞構文は本文(主節)に「~しつつ」という情報を付け加える、くらいに簡単に考えて構いません。

Q:名詞の前に出てこない形容詞とは例えば何があるのでしょうか

A:関係詞節は形容詞節ですが名詞の後ろですし、形容詞に他の語句がくっついて長くなった時にも後ろに置きます。例えばI know a book (similar to this.)といったものです。また「その物の本質的・恒久的性質を表す形容詞は前に置き、一時的性質を表す形容詞は後ろに置く」という決まりもあります。この場合は形容詞が一語でも名詞の後ろに置きます。

Q:to不定詞の副詞句のtoは必ず先頭にくるのですか。

A:副詞がtoの前に来てto 不定詞句を修飾することがあります。I called him ((just) to ask her address.) 「私は彼に電話した/ただ彼女の住所を聞くために」
また、to不定詞を否定する時にはnotをtoの前に置き、not to do ~ 「~しないこと/ための/ために」となります。I stood still (not to wake him.) 「私はじっとしていた/彼を起こさないように」

文責 あすか塾スタッフ I.